ゆっこさんのエッセイ

このブログで知り合ったゆっこさんが書いてくださったエッセイを、ぜひご紹介させてください。

ゆっこさんは、このブログにも時々コメントをくださっている方で、特に、イカロスの翼をテーマにした「勇気ひとつを友にして」という歌が好きだった、という回のブログで意気投合し、一気に心が近くなったようなうれしさを感じました。

いただいた文章を読ませていただき、深く深く心打たれたので、ぜひご紹介したくて、ゆっこさんのご了解をいただきました。

ぜひお読みいただけたらと思います。 (きなこ)

 

 

昨日、ひとつの訃報にせっしました。

友の会役員の方の。

事故とのことで、本当に急で、驚くばかり。

そして、友の会活動には奥様と共になくてはならない方でしたので、

コロナウイルス禍の不安と相まって、今後の不安が払拭できません。

 

不安定な気持ちのまま書いていますので、文章が飛び飛びかと思いますが、

すみませんね。

私はこの病の診断がなされてから丸7年たちます。

その前後を含め、ここ10年ばかりのうちに(50歳代)、

多くの大切な人を亡くしました。長兄、母、次兄、義父母、大好きな同級生・・

(父はもう35年も前にさきにあの世に行って、待ってるかな。)

本当に死はいきなりやって来て、穏やかな日常を壊してしまう・・・

 

誰もかれも、今の一秒先のことは、分からない。なのに、

何年も、何十年も、当然のごとくこの世にいるんだ。と誰もが漠然と思っている。

 

診断を受けた時の、主治医の先生のことば。

脳の病気だけど、命をすぐにとられる病気ではない。

この言葉に、病名を聴いてもあまり深く落ち込みませんでした。

長年働いていた仕事が,障害児の介助の仕事で、厳しい障害と闘っている親子を、

たくさん見てきていたので、自分の病気も違和感があまり感じられませんでした。

さすがに、子どもたちの安全を守る観点から、配置換えを受け,3年ほど働き、

休職3年、その後退職しました。

そして今、若い頃あれほど憧れた【毎日が休日】・・・楽しむしかない。

 

まとめると、明日のことは分からないのだから(余生があるうちに)楽しく過ごそう。

美味しいものは最後ではなくて、今食べなきゃ。

あれしたい、これしたい、と意欲がある時と,全く意欲消滅の時があります(PDの特徴)

だから、楽しそうなことは旬のうちにチャレンジしなければ、と手を出してしまって、

結局は長続きせずに・・・の様なことが多いのですが、いいんです、自分のたった一回の人生だから。 

ちなみに今の楽しみはなにかといいますと、きもののリメイクです。

このコロナ災禍でマスクつくりをしていて、その延長線でのミシン作業です。

母の残したきもので、作務衣とワンピース作りました。いつ着るかはわからないけど・・・

 

こうしてだらだらと、まだまだ書きそうですので、そろそろまとめをします。

楽しいと思えるのも、今だけかもしれない。

楽しむことをできる、体が動くのも今だけかもしれない。

きなこさんがヨモギ団子にチャレンジされるのも、

げんきさんが大物釣りの機会が来たときのためにイメトレされるのも、

よーくわかります。みんな楽しむこと大好き。

                       (文、ゆっこさん)(絵、安本洋子さん)

 

 

 

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コメント: 3
  • #1

    げんき (火曜日, 05 5月 2020 06:00)

    「命は自分のものではなく、DNAとして次世代に引き継ぐべきもの」。つまり預かっているものであり、「今の自分の命はバトンを受け取り走るためにある」。息子が通っていた大学の平和学のテキストに書かれていたものです。
    書かれていた内容に大変深い感銘を覚えたことを思い出します。

    自分がパーキンソン病と診断されてからのことを思い起こしたときに、結構時間の経過というのはいい薬で、その時々ではとてもつらいことであったとしても、時間が数年たてば、その思いはずいぶん軽くなっているように思います。
    心の自己麻酔作用なのでしょうか。
    きっとこの心の麻酔作用は、DNAを引き継いでいくものとして、自然の摂理によって備わってきたんじゃないでしょうか。生きろと言われてるのかな。
    だとすれば、引き受けたバトンを次世代(血族であろうとなかろうと)に引き継ぐまでの間、がんばることもきっと自然の摂理なんでしょう。

    Never giveup and Always smile.
    でいきましょう。

  • #2

    ゆっこ (水曜日, 06 5月 2020 06:02)

    げんきさん、コメントありがとうございます。「命は自分のものではなく預かっていて、時がきたら次世代へバトンを渡していく、そうして未来永劫へDNAを繋いでいく」そうですね、自分一人だけの人生と思っていても、違って本当は人類イエ生物全体の中の生なのですね。そんな生を、「美味しいものは先に食べる」などとあまりにも小さな楽しみのみで生きようとしている自分がはずかしいです。でもその小さな楽しみこそが、げんきさんの言われる心の麻酔作用なのでしょうか。生きるための日常の楽しみの積み重ねがあり、そしてその時が来て次の世代へ命を引き継ぐときを、穏やかにバトンを渡し迎えたい。
    生きよう,生きたいとふつふつと沸きたつものがでてきますね。
    眠っている`着物`を再生し生を与え活用し、いにしえのものをまた次へ引き継いでいく。そんなふうにこじつけて趣味を楽しみ、今の時間を大切にしたいと思います。

  • #3

    げんき (木曜日, 07 5月 2020 01:03)

    私が、いつもきまり文句のように言う言葉があります。
    それは、かつての主治医からいただいたパーキンソン病とともに生き抜く3か条
    ①おバカになりなさい
    ②ルンルンした気持ちでいなさい
    ③脳を休めなさい
    名言だと思います。
    そして、たぶん我々パーキンソン病患者にとって頑張るとは、艱難辛苦を実行せよではなく、楽しく前向きに生きるだと思います。楽しいこと大好きですよ、私も。