なれるかな

女性議員が、秘書に暴言をあびせ、暴力まで振るった、というその録音テープがマスコミに出回っています。

ヒステリックなその声は、何度聞かされても、ドキッとするというか、胸が苦しくなります。

今回に限らず、なにか意表をつく事件があったとき、コメンテーターの方は、「ちょっと考えられないことですね」とか、「どういうことでそうなったのか、人間性を疑いますね」というような感想を言われます。

でも、そうなのかな。

テレビをみながら、考え込む自分がいます。

あれは、もしかしたら、わたしの姿じゃないかな、と。

わたしは、どこかで今の自分を心細く思っているところがあり、今、こうして笑って暮らしている自分は、単に運がいいだけなんじゃないか、と思っているところがあります。

交通事故をおこしてない私。

殺人犯でないわたし。

警察のお世話になることもなく、誰かを憎むこともなく今を生きていられるわたしは、テレビで騒がれている人の立場でないから、事件を起こしてないだけなんじゃないか。

あの女性議員ほどの権力と立場を持ったなら、次第に相手の痛みに対する想像力をなくして、もしかしたら私も暴言を吐いているんじゃないか。

ぜったいにわたしは違う、と思う自信が持てなくて、その意味でも、わたしは平和を守りたいと思い、戦争を起こしてはいけないと思っています。

でも、世の中にはいるんですよね、環境や状況に関係なく、意思として正しくやさしく生きている人が。

人生の終わる日までに、わたしはそんな人になれるのかな。

                                               （写真、yama-p)（きなこ）

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https://www.youtube.com/watch?v=3TS9Tu1WMlc