冬のミツバチ

信号待ちをしていたら、フロントガラスにミツバチが落ちてきました。
みつばちハッチのような小さなミツバチです。
冬のハチを、初めて見ました。
フロントガラスの向こうで、ハチはガラスに足を滑らせながら、お尻をピクピクさせていました。

どうして、こんなところに落ちてきたのでしょう。
どこで、何をしていて、飛ばされてしまったのでしょう。
ミツバチはミツバチの命を生きて風に飛ばされ、私は私の毎日を暮らして信号待ちをし、そんなミツバチと私が、ガラス越しに出会った一瞬。
信号が青になり、ハチから目を離した発進の束の間に、ミツバチは、またどこかにいなくなっていました。

                 (写真、Nさん)(きなこ)

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