やがて、しあわせ

似顔絵作家、大上克己さんの一才のお孫さんが、椅子から落ちて救急車で運ばれたそうです。
転落後、二分くらい意識朦朧。
回復後も焦点が定まらな朦朧状態が続き、若いお母さんは慌てて119番したそうです。
病院に到着したとたん、赤ちゃんは泣き出して、ホッと安心。
検査結果も異常なし

先生から「様子見しましょう」と言われて、親子で帰宅されたそうです。


『この話、病院に到着した娘からの電話で知ったんですが、検査結果が出るまで、ジイは青ざめ、オロオロと、ただただ祈るのみ。

さっき娘から、大きなケーキを頬張っている孫の写メールが送られてきて、ようやく一安心しました。
ケーキは婿さんの誕生日ケーキだったようですが、とんだ誕生日になりました』
と大上さんからメール。

ほんとにとんだ誕生日でしたね。
どんなにか肝を冷やされたことでしょう。
でも、過ぎてしまえば、やがて思い出に。

そのときは笑えないことが、たのしい記念日になることもありますよね。

今回のことも、『あの年の誕生日は、肝を冷やしたよねぇ』と、家族みんなで笑いながら話せる、しあわせな記念日になるような気もします。
どんなにか心痛い一日だったでしょうが、もしかしたらご家族への素敵な誕生日プレゼントだったのかもしれないなあ、と思いました。

                 (絵、大上克己さん)(きなこ)