王様の耳はロバの耳

げんきなこは、元気ときなこの2人組の音楽ユニットです。

こんな年になって音楽活動を始めたきっかけが、音楽経験ゼロの元気さんが思いがけずパソコンで音楽を作ったのに私が驚いたということだったので、「2人で」音楽活動をしていることは、わたしたちにとって当然のことだったのですが、げんきなこを結成して3ヶ月目くらいだったでしょうか、声をかけていただいた24時間テレビのディレクターの方から、「歌っているのはきなこさん1人だけなのに、どうして2人でステージにあがっているのですか?きなこさんだけがステージで、元気さんは制作者、という方法もあったと思うのですが。」という質問を受けて、とても驚いたことがありました。

音楽経験のない、こんなおじさんとおばさんが思いがけず始めたことですから、わたし1人がステージに上がるのなら、きっと、していないと思います。

 

来年4月が来たら、げんきなこも6年目を迎えます。

ライブの回数は195回。走行距離は、11万キロ。

いろいろなことがありました。

楽しいことは山ほどありましたが、しょげることもたまにありました。

でも、そんな時にも、二人で愛車「まるきち」に乗って、情けなく愚痴ったり、時にやけ食いもしながら、ああだこうだと話しているうちに、いつしか気持ちも落ち着いて、ま、いっか、次がんばろう!という気持ちになれました。

元気さんもわたしも、それほど強くないのですが、同じ体験をした人が横にいて、後悔も失敗も心のままに言い合えることで、自分だけを責める気持ちから自分を解放できたようにも思います。

言わざるは腹ふくるるわざ、という諺がありますが、つらいこと、心を苦しめていることを話せて、共感してくれる人がいることで、重たい劣等感と後悔に縛られず、心を軽くできたように思います。

 

「王様の耳はロバの耳!」

 

イソップ物語の床屋さんは、自分が掘った穴に思いを叫びましたが、私たちは、お互いを床屋さんの掘った穴のように、穴から跳ね返ってくるこだまのように、いいことも悪いことも話しながら5年を過ごしてきたのかもしれないなあ、と思います。

                     (写真 ジュリエットさん)(きなこ)

♪写真をクリックすると「おとうと~大伯皇女と大津皇子~」をお聴きいただけます。

 

https://www.youtube.com/watch?time_continue=7&v=IBOrPigP5NY