断然、いい

今年も柿をよく食べました。

元気さんは柿が好きなので、季節になると、我が家の冷蔵庫には、いつも柿が入っています。

くるくると柿の皮をむいていたら、サルカニ合戦の物語を思い出しました。

 

カニはサルに、「おむすびは食べたらなくなってしまうけど、柿の種なら、やがて実って、腹いっぱい食べても、また来年実るから、種のほうがいいよ」と言われ、おむすびと柿の種を交換します。

サルがカニを騙したようなこのシーン。

でも、ほんとに柿の種のほうがいいんじゃないの、と、皮を剥きながら、ふと思いました。

 

「はやく芽を出せ、柿の種。出さぬとはさみで、ちょんぎるぞ」

幼い頃、本箱から取り出して、何度も眺めていた昔話の絵本では、カニの親子がそんな歌を歌いながら、地面に埋めた柿の種に水をかけていました。

芽が出れば、「葉を出せ」、と歌い、葉を出せば、「実になれ」、と歌いながら、柿の実りを待つ親子のカニの様子もたのしそうでした。

 

やっぱり、おむすびより、柿の種のほうがいいかも。

 

そんな思いつきを、安本洋子さんに話したら、

「そりゃ、柿の種のほうが、断然いいわよ」

と言ってくれました。

うれしくなりました。

                        (絵、安本洋子さん)(きなこ)

 

♪絵をクリックすると、「蜂ヶ峯~思い出は今もきらら~」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=VlAGpT8XjHs