遙かなる丹波(その2)

(元気)

 

2日目は、朝食からサプライズが始まった。

 

Kさんは、朝8時30分に開店する町内のレストランを予約しているので行こうとおっしゃる。平坦な道を北上し、およそ15分後に到着。しかし外観はどう見ても古民家である。

 

玄関に入って驚いた。靴を脱いで上がるとそこには巨大なワンフロアのスペースがあり、テーブルと椅子が配置されている。そしてほぼ270°のパノラマビュー。私たちが案内されたテーブルの窓の外は、数メートル先から急峻な山の頂に向けたスロープが始まっていた。また山の頂に目を移すと、樹木の姿を肉眼ではっきりととらえることができた。ここでも森と町が混然一体となっていると感じた。」

 

 

テーブルに案内されて待つこと10分程度、運ばれてきたのはスペシャルモーニング。厚焼き玉子を具として挟んだボリューム満点のサンドイッチと、ぜいたくなフルーツの盛り合わせ、等々、見た目も実際の味も大満足。ごちそうさまでした。

 

その後、町内の観光地や、歴史資料館に足を運び、織田信長の子孫にあたる方々がこの地を治められたことを知った。

 

 

昼前にいったんKさん宅へ戻り、休憩を兼ねて夕刻16時からのリハーサルに備えた。

 

ここでのサプライズを一件。

 

それは、今まで食べた中で一番うまい素麺をご馳走になったこと。広く市販されている揖保乃糸と麺つゆに、みょうがを具材としたものなのだが、とにかく抜群のうまさだった。ゆで方や冷水で締めるタイミングに極意があるように思うが定かではない。

帰宅後、Kさんに聴いたレシピをもとに冷やす素麺を調理し、食したものの、残念ながらその味は同じレベルといえるものではなかった。(キナコさん、ファイト!!)

 

 

 

ゆっくりとした時間が経過したのち、16時直前にお祭り会場である地元の小学校へ入った。

実は前日と当日午前中にも行き、下見とスタッフの皆様へのあいさつをしたた。

実行委員長殿いわく、「このお祭りは地元の一大イベントであり、このイベントを通じて、町民がまた一枚岩となっていくことを毎年実感している」とのこと。

そんな価値あるお祭りに出演させたいただくことへの感謝と緊張感が18時30分から始まる本番に向けて急激に高まっていった。

 

 

 

とはいえ、超食いしん坊なわたくし、控室に用意されたお弁当(お刺身も入った、超豪華版)をペロリと平らげ、まずはごっつあんでした。

 

 

 

そしてうれしいことにEさんご夫妻を含め前日のイルカ女子のメンバーも駆けつけていただいた。感謝あるのみ。

さらにEさんは、意を決してか、ノリノリになってか、はたまた元気くん(私)への助太刀のためかは定かではないが、途中から舞台に登壇いただき、満面の笑顔で団扇を振っていただいた。昨日に続き、私のへっぽこ団扇振りに拍車がかかったのは言うまででもない。これまた深く感謝です。

 

 

 

夏とはいえ、夏至からすでに一か月半が過ぎている。若干早く感じた日没後、徐々に夜を迎える明るさへと移行する中、18時30分に本番がスタートした。持ち時間は30分間。演奏楽曲は「五橋渡り、金言寺、愛し子、みんなが笑顔、パーキンソンブルー、Dear)である。

私はいつも男性ボーカルグループ(すでに解散している)ファンキーモンキーベイビーズでパフォーマンス担当だったDJケミカル氏を目標として団扇を振るのだが、キナコは常日頃「あんたも歌いんさい、歌うところに意義があるんよ」と私を洗脳しており、決して人様の前で歌うレベルではなく、逆に失礼なことと認識しつつ、もともとは目立ちたがり屋のキャラと相まって、好き勝手に歌っている。

 

この日もいつも以上の高揚感が後押ししてか、いつも以上に好き勝手に歌ってしまった。

 

あとで、キナコに歌ってよかったんだろうかと聞くと、「まあよかったんじゃない」との返答。まあという言葉に引っ掛かりはあったがまずは納得。Kさんは後日「熱唱だったね」と総括いただき納得。

 

しかし、何より嬉しかったのは、演奏終了直後、スタッフの皆様から大きな拍手をいただいたことと、演奏後しばらくして、お祭りが佳境となる中、帰路に就くため駐車場へと移動する際、道すがらあちこちから拍手をいただいたことであった。

 

 

気が付けばすっかりと夜の帳につつまれ、西の空には若干の明るさが残っていた。この情景は見たことがあると直感し、記憶を辿ってみると小学生の時、歌っていてとても心地よく、美しいと感じたメロディー「朧月夜」を口ずさみながら見ていた山際の風景に他ならなかった。

 

 

 

もう一つ嬉しいことを書かせていただきます。

 

それは「みんなが笑顔」という楽曲をお祭り会場となった小学校でも給食時間に全校に流していただいていると伺ったこと。げんきなこ出演にあたり、げんきなこの活動を会場となる学校側へと説明する際、この楽曲の紹介もしていただいたとのこと。

この話からも、いかに準備にあたり多くの人が動き、ご尽力されたかをうかがい知ることができ頭が下がる思いだった。

 

この楽曲は広島県北部にあるというかあった(昨年廃校)小学校5年生(総勢15名)が書かれた一行詩を集結し、それに曲をつけ音楽にしたものである。

 

これに曲をつけてくださいと見せていただいた詩がとにかく素晴らしく、その詩の世界に一気に導かれるようにきなこと二人で曲として仕上げた。

 

この詩を見たり聴いたりすると、改めて子供の感性のすばらしさを感じるとともに、日本の未来は明るいと感じてしまう。

 

 

 

このようにして、日本の原風景までをも感じた丹波ツアーは終了し、帰路22時に姫路駅で息子と合流し、その後息子運転のもと、きなこ爆睡状態、私スピード落とせの大絶叫の中、無事我が家に辿り着いたのは深夜2時であった。

 

 

長くなりました。

 

おしまい。

 

みんなが笑顔


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コメント: 2
  • #1

    コロン (火曜日, 07 8月 2018 07:18)

    指折り数えて待ち続けた日がとうとうその日を迎え沢山の感動というお土産を残し立ち去りました。
    この例年にない暑さの中、本当に心温まるコンサートありがとうございます。京都で初めて聴いたげんきなこさんの歌声、バックに映し出されたわがふるさとの画像を見た時の衝撃と嬉しさ、忘れません。お会いしてまだ短期間のうちにコンサートを実行出来た事、感謝です。次回、元気にお会いいたしましょう!(ソーメンは湯がきすぎないことがこつです)

  • #2

    元気 (火曜日, 07 8月 2018 07:52)

    ありがとうございます。やはりそうでしたか。麺のコシの強さが違うなと感じたものですから。次回はきっとうまい素麺にありつけると思います。