アリと泥ダンゴ

小さい頃、がっかりした話を2つ。

 

保育園で、泥ダンゴを作ることが流行っていました。

保育園の敷地に一箇所、泥ダンゴに適した粘土質の土のある場所があって、その土に水をかけて丸めて、泥ダンゴを作っていました。

「何回も磨きよったら、鉄になるんて~」

鉄の泥ダンゴ!

なんて素敵なの!

そんな泥ダンゴを作りたいと、保育園でも、家に帰ってからも、泥ダンゴ作りに熱中していました。

泥ダンゴの芯に小石を入れる。

サラサラの砂(サラ粉、と呼んでいました。)をふりかけて磨く、を繰り返す。

ツバをつけて磨く・・・。

教えてもらったあらゆる「秘伝」を試しましたが、私の泥ダンゴは鉄になることなく、いつも途中で割れてしまいました。

 

もうひとつの話は、小学校1年の時のことだったと思います。

その頃住んでいた借家には、真砂土の庭があり、夏になるとその庭の真ん中に、ポツンと穴が開いて、真っ黒で大きなアリが出入りしていました。

「アリの巣の一番深いところには、アリの宝物があるんよ」と、誰かに聞きました。

それで、夏休みのある日、スコップで庭のアリの巣を掘り返してみました。

庭に深い穴が出現しただけで、アリの宝物を見つけることはできませんでした。

 

当時はがっかりしたから、こうして覚えているのでしょうが、今ではたのしい思い出です。

                      (絵、ふなえみゆきさん)(きなこ)

♪写真をクリックすると、「たまのやの風」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=_QB7F64fzvM