Aさんは、パーキンソン病の患者さんです。
ご主人様も、ベッドでお過ごしになることの多いご病気です。
毎日の生活はどんなにかたいへんだろうな、と思うのですが、Aさんは、とても朗らかな方です。
Aさんとのお付き合いは、まだ1年ほどなのですが、知るほどに、Aさんがご家族を大切に、とてもきちんと生活されていることに心打たれています。
最近、この蒸し暑さのせいか、ご主人様の食欲がなくなり、Aさんも心配されていたそうなのですが、思いついて、ショウガの甘酢漬けを作って食卓に並べたところ、ご主人様が「ああ、これこれ」とおっしゃって、その日はずいぶんとよく召し上がられた、と教えてくださいました。
美しいAさんと知りあって、1年。
秋には「栗の渋皮煮を作りました」、お正月には「お節を作って、体の弱い母に届けました」そんな細やかで優しい気持ちのあふれるメールを、季節季節にいただきました。
きっとショウガの甘酢漬けも、Aさんは毎年お作りになられているのでしょう。
Aさんが、しんどいお体で主食ではないものを手作りされていること。
「ああ、これこれ」と言われる家族の味があって、それがご家族の元気を引き出されたこと。
そんなことに心打たれて、私も甘酢漬けを作りました。
(きなこ)
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