しあわせ量保存の法則

わたしたちは、パーキンソン病友の会という患者会に入っています。

元気さんは広島県支部長をさせていただいているので、年に4回発行の支部会報に、毎回原稿を書かせていただいています。

これは2月に発行した冬の号に掲載された元気さんのエッセイです。

 

 

冬季オリンピックが終わりました。

 最も印象深かったのは、おそらく多くの日本人と同じく、羽生選手の快挙でした。まだ23歳の若者ですが、私は羽生選手の優勝後のコメントの中から出た一つの言葉に深い感銘を受けました。
 それは、「この日のために、多くのものを捨ててきた」という言葉でした。
 

 パーキンソン病患者も、人生半ばにして多くのものを失います。
 それでも私は最近思うのです。高校の物理で運動量保存の法則とかエネルギー保存の法則とか学びましたが、概ね一人あたりの「しあわせは、人生途中で大きな障害となるような出来事が起こったとしても、生きてさえいればやがて今までとは異なる価値観が見つかり、結局、しあわせ量は変わらないんじゃないかと。(名づけて、「しあわせ量保存の法則(笑)

 かつてハリウッド俳優で、パーキンソン病患者のマイケルJフォックスが著書「ラッキーマン」の中で「もしあなたの前に神様が現れて、今すぐにパーキンソン病を取り除いてくれるとしたらどうしますか」という問いに対し、彼は迷うことなくごめん蒙る。とっとと帰ってくれと言う」と即答していました。
 これを読んだとき、少々頭の中がパニックとなりましたが、その後長い時間が過ぎ、今では彼の気持ちがわかるように思います。

 私の症状は確実にゆっくりと下降してきています。
 しかしながら、心には再び羽が生えようとしています。
    Never give up  and Always smile
                      (写真 yama-p)(元気)

♪写真をクリックしたら、「銀輪」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=7NPZz5MqW7Q