東京

パーキンソン病は、まだ根治の方法が見つからない進行性の難病で、症状を、主としてお薬によってコントロールしている病気です。
私たちも入れてもらっている「全国パーキンソン病友の会」という患者会では、毎年一回、4月の世界パーキンソンデーに合わせて署名活動をしています。
根治医療の開発継続や安心して薬を飲み続けることができますように、という私たち患者家族の願いについて、一般の皆さんに賛同のご署名をいただき、それを持って全国の仲間と一緒に毎年一度、国会にお願いにあがっています。
広島県の友の会でも、皆で手分けして今年も一万二千筆のご署名をいただき、国会にお届けするため、仲間七人で上京しました。

東京は、どこに行かなくても、何も買わなくても、ウキウキする街ですね。
「車椅子、ずっと押させてゴメン」
体重90キロを突破した育ち盛り？の元気さんが、いつになく神妙な顔で言ったので驚きましたが、謝ってもらうどころか、私はただ歩いているだけでワクワクし通しでした。
見上げるビル群。
ビルと競うようにまっすぐに空に伸びる新緑の街路樹。
ガード下に居酒屋が並ぶ通りを曲がれば、店の前にテーブルと椅子が並ぶパリのようなカフェや奥様のランチに似合いそうなお店が。
冷蔵庫を引いて歩く爆買のアジア人に、手押し車を押しながら歩く西欧人のツアー。
そんな雑多で豊かな風景を、右に左に上に下に360度眺めながら歩くだけで、気分は愉しく高揚します。
そして何より、今年も上京できて、全国各地から集まった仲間に会えたことを喜んだうれしい１日でした。

            　　　　　　　　　　　　 (絵、高嶋宏子さん）（きなこ）

♪　絵をクリックしたら、「きみがいた」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=O_Jj9vXUpR4