最後のひと言

少し前なのですが、NHKラジオ番組「すっぴん」で、作家の高橋源一郎さんが、「なくなりそうな世界のことば」という本について話をされていました。

 

今、地上では、およそ7000の言葉が話されているそうなのですが、その中から50の少数言語を選び、さらに、その言語の研究者が「その言語らしい言葉」をひとつだけ選んで紹介した本だそうです。

 

 ラジオで紹介された言葉は、「もう帰れない場所に帰りたいと思う気持ち」を表すウェールズ語の「ヒライス」や、「どこにいても分かり合えること」を表すヘレロ語の「ベバラサナ」などなど。

 

そのような意味の言葉を生み出した人たちはどんな民族だったのだろう、と心惹かれながらラジオを聴いていました。

でも、おそらく、これらの言語は、アイヌ語と同じく、激流に流される笹舟のようなものなのでしょう。

 

 きっとこれまでも、人間の有為転変の歴史の中で、消えていった言語はいくつもあったことでしょう。

トキの最後の一羽、おばあさん鳥の「きん」が佐渡の飼育センターで死んだように、消えてしまった言語にも、最後の言葉が使われた瞬間、そして最後に使われた言葉があったはずです。

 

言語は、少なくとも2人いなければ、会話になりません。

一人になったとき、最後の言葉は、どんな風に発せられたのでしょう。

つぶやきだったのでしょうか。

頭の中での夢想だったのでしょうか。

あるいは、歌だったのかも・・・。

 

ふと、その本のことを思いだし、そんなことを思い巡らせていたら、三日月がとてもきれいな今夜の夜空に、ふわりと体が浮くような気持ちになりました。

                         (写真、ジュリエットさん)(きなこ)

  

 ♪写真をクリックしたら、「星月夜」をお聴きいただけます。https://www.youtube.com/watch?v=NGI7YFMaODw&list=UUa030tIOyeM5LbDx_9FRZ9Q&index=69

 

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コメント: 3
  • #1

    Nishikori (金曜日, 26 1月 2018 02:52)

    なんて美しい!
    詩。うた。映像。
    げんきさーーーーーん!
    この冬、これをやっていらっしゃったのですね!
    聞き入り、そしてみとれてしまいました。
    ぜんぶいい。素敵ですね。
    20インチのテレビに映してみていたら、満天の星空。
    世界にひきこまれました。急に大画面テレビになりました。
    というか、冬の晴れた星空の広島にいるような静岡にいるような。
    すばらしい。
    でも

  • #2

    元気 (金曜日, 26 1月 2018 05:41)

    Nishikori さん ありがとうございます。実はこれ、初期のころに創った曲でして、もうアップして4年以上経過しています。また全作品の中で最もカウント数が多いのもこの曲です。
    今思うと、この頃ってすごかったなと自分でも思います。
    この冬は西興部のテーマ曲の修正をしていました。すでに出来上がった曲にどうしても納得いかなくて、何度も何度も。。。。
    ようやく自己満足版ができました。
    https://youtu.be/WognSj-r8X8
    https://youtu.be/CDzJAuo9_FM

    今新しい曲に取り掛かってます。キナコが書いた本記事に関連するもので曲調はシャンソン(初挑戦)です。どうなりますやら。

  • #3

    Nishikori (金曜日, 26 1月 2018 06:32)

    ありがとうございます。早朝から。
    ほんとでした。先日も聞いていい曲だと。
    なんで忘れてたのだろう。私もいい加減ですねえ。では、本日は倉敷平成病院まで支部長とこれをかけながら向かいます。