好きというのは

元気さんが釣りに行くので、近所の釣具店にエサを買いに行きました
その店はとても小さくて、駐車スペース一台のみ。
でも、その狭い駐車スペースにブルーシートで包まれ小さな古墳ほどのものが置かれています。

 

中身は、ハーレー。
店主のおじさんは、釣りよりもバイクが好き。
エサを買いに行っても、魚の話をしたことはありませんが、バイクの話は尽きず盛り上がります。
「ハーレーを新車で買ったら、600万だからね。

自分が買ったのは、22年ものの中古なんよ」
22年ですか!歴史がありますねぇ。
「うん、ずっと欲しくて欲しくてね。
別のバイクを買った直後にこのバイクが出て、販売店に、取り替えてくれって頼んだけどダメで、それから二年たってまたこれが出てきたから、今度は買ったんよ」
店は薄暗く、釣具も無造作に並べられ、釣り商売に対する情熱はあまり感じられないのですが、ハーレーに対する愛情は、夏のアスファルトから沸き上がる熱気のよう。

ハーレーで風を切るのは涼しくてキモチいいでしょうね、と尋ねれば
「いいや、熱い、熱い。ハーレーはエンジンが大きいからね。

またがった股の部分から熱が回って、全身熱くてたまらんのんよ」
そう言いながら、顔は満面の笑み。
お客さんは誰も来ないので、エサを買ってドアを出る私と一緒に外に出て、
「ほら、ブルーシートの下からちょっとタイヤが見えるじゃろ」

指差して教えてくれました。

おじさんと話しながら、最近、欲しくてたまらなかったスカイラインをついに買われたというnishikoriさんのことを思い出しました。

ジュリエットさんの弟さんが、やはりとっても古くて冷房はナシ、こだわりにこだわってあの「ルパン三世」と同じ車を買ったのだと言われていたことも思い出しました。
私の弟が小さい頃、欲しくてたまらなかったンボルギ- カウンタックLP500の赤い大きな車のオモチャを、泣き落として買ってもらい、布団の中まで抱いて寝ていたことも思い出しました。                     

                        (写真、ジュリエットさん)(きなこ)

 

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https://www.youtube.com/watch?v=xlhSn-CTyjo