ひまわり

タイトルと評判だけ知っていて、見たいと思いながら見ていない古い映画がいくつもあります。

「ひまわり」もそのひとつ。

念願かなって、ようやく見ることができました。

なぜ「ひまわり」というタイトル?

主人公の女優、ソフィア・ローレン。あんまり美人とは言えないとおもうのだけど、どうして人気?

その理由が、わかりました。

深くて、かなしくて、美しい映画でした。

 

場所は、第二次世界大戦末期のイタリア。

戦争が終っても帰還しない夫の生存を信じて、異国におもむき、探し続ける妻の物語です。

しかし、ようやく探し当てた夫のそばには、若く美しい女性と子供が・・・。

 

妻には、夫の捜索をやめる機会はいくつもありました。

お役所から、生死不明といわれたとき。

夫は雪の原野で歩けなくなり、「置き去りにした」と戦友から聞かされたとき。

 

でも、妻は、ただ夫の生きていることだけを信じて、捜索の旅を続けます。

 

先の戦争の折、日本でも、国から家族に送られてきた骨箱には、石ころがころんと入っているだけだった、という話を聞いたことがあります。

でも、実際に、戦場まで夫を探しに行ったという話は、わたしは聞いたことはありません。

戦中戦後、ほとんどの人は、生きることで精一杯の毎日を甘受して、大切な人の喪失のかなしみをかなしみとして抱えたまま、毎日を懸命に生きたのでしょう。

 

真実を追究しつづけること。

運命を受け入れること。

もしも、この「ひまわり」の女性が、他の多くの女性のように、夫が死亡したという話を受け入れていたら、どうだったのだろう。

どちらが、二人にとって、よりよい選択だったのだろう、と思うと、わからなくなりました。

                          (写真、yama-p)(きなこ)

             ♪写真をクリックすると、望郷をお聴きいただけます。

     https://www.youtube.com/watch?v=3TS9Tu1WMlc