大切なこと

 

大好きな人がいて、彼女はよく待ち合わせの時間や事務的な連絡事を、間違えたり忘れたりします。たぶんわたし以上()
でも、『AであったBの集まりのときに、Cさんがリンゴみたいにほっぺが真っ赤なお孫さんを連れて来られて、あの子、帰りに『また来るね』と手を振ったのが、かわいかったわよねぇ』と、一年も前の、たわいないことはよく覚えておられます。
彼女の記憶のパソコンは、事務的なことには保存の容量が小さいようですが、おとといの月はとてもきれいで貴女にも見せたかったとか、あのとき○○さんはしんどそうだったけどもう大丈夫かしらとか、そういったことには最新鋭コンピューターも顔負けの能力を発揮します。
そして彼女からそんな話を聞くたびに、彼女が大切にしているものを思います。

誰かと何時に打ち合わせ。

何時までに書類を届ける
私たちがメモして必死に覚えようとしていることは、本当はどうでもいいことなのかも。
記憶ってなんだろう。

ほんとうに大切なものってなんだろう。
今日、彼女が私の車に忘れていった帽子を眺めながら、ふと思ったりしています。
                           (絵、邦恵さん)(きなこ)

 

 

 

    (♪絵をクリックしたら、パーキンソン ブルーをお聴きいただけます)

 

https://www.youtube.com/watch?v=QuLIX1EW9oM&feature=youtu.be