普通

北海道の西おこっぺという村にお住まいのステンドグラス作家で患者仲間のクリオネさんの話です。

 

「近所に東京から引っ越してきた若い奥さんがいてね、煮物とか、「たくさん作りすぎたから、もらって」とか言って取りに来てもらったりして、仲良しなの。

そのお家には小さい子供さんもいて、うちに遊びに来ると、わたしがしょっちゅう転ぶものだから、初めの頃は怖がって、転ぶたんびに泣いてたんだけど、最近は慣れたみたい。」

クリオネさんは、外出は車椅子ですが、家の中のことは、炊事洗濯料理、家事いっさいを自分でされる、どころかご主人様が、「うちのは、料理がうまいんだぞー」と、お友達に自慢されるくらいの料理上手です。・・・、一度言われてみたい、私も・・・。

 

で、先日も、その若いお母さんからメールが届いたそうです。

「「子供が、クリオネさんちに遊びに行きたいっていうから、明日行ってもいいですか」って、書いてあったのよ。

それで、パンを焼いた残りの強力粉がまだあったから、ドーナツを揚げたの。

小さい子供さんだから、お砂糖をまぶしたら、手がべとべとになってお母さんが困るかな、と思ったから、そのときは生地にお砂糖入れて揚げたの。」

交通の便がいいとは言えない北海道の西おこっぺ村に、クリオネさんに会いたくて、たくさんの患者さんたちが足を運ばれます。

そして患者さんではない大人や子供もクリオネさんを訪ねます。

「うちの子がまだ保育園のとき、運動会で親子でお遊戯することあったんだけど、同級生の子たちが「K(クリオネさんの息子さん)のお母さんも一緒にできるように」って言ってくれて、先生も車椅子でできるお遊戯を考えてくれて、みんなと一緒にダンスしたの」

そんな話もクリオネさんから聞きました。

 

自分のこととして考えてみたとき、自分だけがみんなと違う立場で、「普通」に付き合うことは簡単ではないことのようにも感じます。

それをヒラリとあかるくしてしまっているクリオネさん、やっぱりスゴイなあと思っています。                                                         (写真、yama-p)(きなこ)

 

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 https://www.youtube.com/watch?v=OW12Tkrx3Xw