海をみている、空をみている

元気さんが夜釣りに行きました。
元気さんの釣り場は、世界遺産宮島にある「弥山」という山の対岸。

 

到着するとすぐに弥山の一ヶ所が明るいのに気がつきました。
まるで宝物が隠されているように、山のそこだけ放射状に光を放っています。
月が出るんだ。
じーっと眺めていたら、少しずつ少しずつ月が姿をのぞかせてきました。
ゆっくり、ゆっくり。
夜の弥山はまっ暗く、巨大な生き物が眠っているようでもあり、まるで月は、その生き物の胎内から押し出されているように、少しずつ姿をあらわします。
出産みたい。

どんな月が出てくるんだろう。
暗い夜の中に最初に表れたのは、卵の黄身のようなきれいな黄色。
ほんのぽっちり顔を覗かせた黄色は、ムニュー、と効果音が聞こえるほどの速度で姿を表し続け、やがて全形を弥山の上に載せました。
少し欠けた球体は、ピンポン球のように弥山の斜面を転がっていきそうな気がしましたが、もちろんそんなことはありません。  

そのままゆっくりと、天女のように夜の空に昇っていきました。

元気さんは海を、わたしは空を見ていた昨夜の夜釣りでした。
釣果は、カサゴ二匹とメバル一匹、あわせて三匹でした。

でも、けっこう立派。

かつがつお刺身がとれるサイズかな。

(写真、yama-p)(きなこ)

 

♪写真をクリックすると、元気さんアレンジのフランス音楽をお聴きいただけます。

 

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=Hn19dOySBB8&list=UUa030tIOyeM5LbDx_9FRZ9Q&index=105