かわいい人

患者仲間のOさんは、とても「かわいい人」です。

お年は83歳。

先日、初めてお宅にお邪魔させていただいたのですが、壁にはヒラヒラのドレスで、男性にエスコートされ、反り返って踊っていらっしゃるお写真が飾ってありました。

わあ、社交ダンスなさっていたのですね? 素敵ですねぇ。

そう申し上げたら、

そうなの。65歳で主人が亡くなってからはじめたの。一生懸命習ったのよ。ビデオもあるから、見る?

と言われ、拝見しました。

ご自宅の広いリビングで、ピンヒールを履いて楽しそうに踊る美しいお姿が映っていました。

Oさんは、お一人暮らし。

お子さんもいらっしゃるようですが、あまり交流もないそうで、ヘルパーさんとお手伝いさんが昼夜交代で、身の回りのお世話をなさっています。

もう10年以上のお付き合いというお手伝いさんは、家族のように0さんのことを理解されていて、0さんのわがままを受け流したり、言葉にしないことも察して、お仕事を越えた心のつながりがあることが感じられます。

 

4年前に初めてお会いしたときは、歩いて外出もなさっていた0さんですが、今は家の中でも車椅子で生活されています。

大画面のカラオケセットもご自宅にありますが、声が出にくくなって、ご自分ではお歌いになれなくなってしまったそうです。

最近は、パーキンソン病に加えて、癌までみつかったそうです。

でも0さんは、社交ダンスができなくなったらペタングを、ピアノが弾けなくなったらパソコンを・・・、と、そのときそのとき、できることを見つけては楽しまれています。

わたしたちがお邪魔させていただいたことも、この上なく喜んでくださり、帰ったあとも「楽しかったわねぇ」と何度も電話くださいました。

 

0さんは、すべてに恵まれた人とは言えないと思うのですが、それでも、一緒にいて、「かわいいなぁ」と思える人です。

聡明な人。明るい人。さわやかな人・・・。

素敵な人はいろいろですが、「0さんのように「かわいい人」になりたいね」と、最近は、元気さんと話したりしています。

 

                                  (写真yama-p)(きなこ)

 

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https://www.youtube.com/watch?v=Wn-VPecZeNc