永遠

草取りができない時期がありました。
小学生の頃です。
掃除時間、ローテーションで校庭の草取りが回ってきていたのですが、わたしが引いた草は死んでしまうのだと思ったら草が取れなくなり、でもサボっていると思われるのもイヤだったので、抜いたふりして、こっそり埋め戻していました。
 

同じ頃だったと思うのですが、きれいな風景を見るたびに、それがずっと続かないことがかなしくてたまらない時期がありました。
たとえば色を変えて暮れてゆく空。
風が吹いてキラキラと光が遊ぶ木の若葉。
きれいだなあ、と思うより強くそれを自分がとどめることができないことがかなしくてなりませんでした。
 

今思うと、その頃、曾祖母が亡くなりました。
初めて出会った「死」でした。
美しいものに感動したとき、それをとどめたいと思い、でもそれを言葉にしたり絵に描いて残すことさえできない自分をとてもかなしく思っていたのは、なにもかもがこのままではないことを知ったからだったのかなと、後になって気がつきました。

 

(写真、yama-p)(きなこ)

              (写真をクリックしたら「青空の中のふうせん」が流れます)

https://www.youtube.com/watch?v=99oAD71gp6A