ロビンソン・クルーソー 2

 

「ロビンソン漂流記」、引き続き読んでいます。

 

前回、ロビンソン・クルーソーが黒人の闇売買に手を染めていたことに驚いて、これ以上のビックリマークは起こらないかも・・・、と書きましたが、間違いでした。

ロビンソン・クルーソーの生きるための知恵とくじけない力に驚きながら、ぐいぐい引っ張られるように読み進んでいます。

 

無人島にたどり着いたロビンソン・クルーソーの全財産は、難破船から引き上げた食糧、衣類、道具類と、船にいた猫2匹、犬1匹。

たった一人で無人島に生き残ったら、絶望し、恐怖し、泣いて餓死しても仕方ないと思うのですが(きっとわたしならそうなるでしょう。)、ロビンソン・クルーソーのたくましさといったら!

麦を育て、パンを焼き、土器を作り、野生のヤギを飼いならして家畜にし・・・。

これまでの知識とやわらかい発想を総動員して、必要なものを作り出す様子は、人類の進化を一人でたどっているよう。

そのサバイバルの様子はとてもリアルで、これ、作者の体験談?と、あとがきを確かめたのですが、創作でした。

 

読んでいて思ったのは、わたしたちの前には、いいも悪いもない「ただの事実」があるだけで、「いい事実」「わるい事実」というのは、自分の心が思っている「感情」だということ。

遭難したと嘆くか、自分だけが生き残ったことをありがたいと思うか。

誰もいないと嘆くか、船に備蓄があったことを幸運と思うか。

そしてピンチの場面では、「ただの事実」を「いい事実」と思えるかどうかが、生きていけるかどうかの重要なポイントなんだと、ロビンソン・クルーソーのサバイバル生活を読みながら感じました。

遭難とパーキンソン病。

どちらも普通は「いい事実」とは思えないことですが、「事実」を前向きにとらえて生きていくことの素晴らしさのヒントもたくさんもらいながら、わくわく読んでいるところです。

 

                             (写真、yama-p) (きなこ)