雨に唄えば

 

最近、元気さんが映画にはまっていて、家で何本も見ています。

インタクト、風に立つライオン、などなど・・・。

 面白い!面白い!と言うので、わたしも今日、一本見てみました。

 「雨に唄えば」

 22日のクリスマスコンサートに向けて、目下、元気さんが制作中の新曲「くつしたクリスマス」のイメージが、「雨に唄えば」で、最近二人でこの歌のことを話題にすることが多いのですが、実は映画は見たことがありませんでした。

 一番有名な、土砂降りの雨に濡れながら街頭の下で歌うシーン、あれは、恋人におやすみなさいを言って別れた直後の喜びのシーンだったのですね。

ヌレネズミ、とか、雨に濡れるといえば、なんとなく寂しく、肌寒く、哀しいイメージがありますが、実際には、雨の中で「喜ぶ」気持ちも、案外たくさんあるのかもしれないな、と思いました。

主人公のドンは、歌っている間にどんどん気持ちがエスカレートして、ついには自分から水溜りに入って、バシャバシャやっていました。それをおまわりさんに見つかって、恥ずかしそうに帰って行く・・・、その様子が、雨の中で水遊びをしているのを見つかった子供のようで、懐かしい感じがしました。うれしさにせよ、かなしさにせよ、雨に包まれている安心感もあって、雨の中では自分の気持ちが表に出やすいのかもしれませんね。

 

そのシーンをみながら、思い出したことがひとつ。

 私が小学生の頃、ジャンプ傘が登場しました。

 スイッチひとつでパッとひらく傘に目を丸くし、欲しくて溜まりませんでしたが、「買って」と言えなかったわたしは、自分の傘を何度も何度も開いたり閉じたり、ぶんぶん振り回したり。もしかしたら、こうしているうちに、傘が自動で開くようになるのではないかと思ったのです。結果は、傘の留め金が甘くなって固定できなくなり、カラカサお化けのような格好でしか使えない傘になっただけでした。

傘が壊れて、母がなんと言ったかわすれましたが、憧れのジャンプ傘を買ってもらいました。

うれしかったことを覚えています。(絵 安本洋子さん)(きなこ)