2018年

6月

20日

みい

亡くなった母の家には、ずっと猫がいました。

代々茶白の猫で、代々、名前は「みい」。

一度だけ、みいの子供だから、こみという名前の猫いましたが、1度だけで、また名前は「みい」に戻りました

エサも、当時はキャットフードなどはありもしませんでしたが、ご飯にお味噌汁をかけてもらったのを、みいは食べていました。

祖父はアラ汁をよく食べていましたが、食べ終わるたびに魚の骨を、ぽい、と足元のみいにやると、みいは首をよじりながら、ガシガシとあごに力を入れて食べていました。

もちろん、田舎の家ですから、みいは家の中も外も自由に出入りしていました。

 

これは、当時まだ結婚前で祖父母と一緒に住んでいた、とても猫好きな叔母から聞いた話です。

眠っていた叔母をみいが起こすので、なんだろう、と思って灯りをつけて見たところみいがネズミを捕まえていたそうなのです。

「もう、びっくりしてね。夜中のことではあるし、怖くて。

でも、みいは、わたしにほめてもらおうと見せにきたんだからと思って、「よくとったね」と頭をなでてやったんよ」

私がその話をきいたのは、小学生の頃でしたが、ひっくり返るほど驚き、そんなことができる叔母を尊敬もしそして、猫を飼うって、そういうことなんだなあと思ったことを覚えています。

 

この強烈な幼児体験のせいで、というわけでもないのですが、この年になるまで、まだ私は、一度も猫も犬もったことがありません。

                (絵、安本洋子さん)(きなこ)

♪絵をクリックすると、「飯の山」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=NZnQ-4NVQRk

 

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2018年

6月

18日

あいあい傘

霧雨が降る夕方、車で走っていたら、中学生が二人で歩いていました。
一人は傘をさした女の子
一人は自転車を押している男の子
女の子は男の子に傘をさしかけるわけでもなく、男の子は自転車に乗るでもなく、おしゃべりしながら二人で小雨の中を歩いていました。

女の子は男の子に、傘をさしかけてあげられないのかな。
濡れているのが気になっているだろうに、好きならなおさら、あいあい傘ははずかしいのかな。
中学生だものねぇ。

そんな想像をしながら、『がんばれ!青春』と胸でつぶやいて、ゆっくり二人を追い越しました。
                                (yama-p)(きなこ)
♪写真をクリックしたら『初雪』をお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=iaaVhEJkIb0

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2018年

6月

17日

「みんなが笑顔」

中国山地の真ん中、広島県の安芸高田という神楽の盛んな町に、全校生徒60人ほどの小さな小学校がありました。

その小学校の5年生が、地域の障碍者施設に体験学習に行ったあと、みんなで詩を書いてお礼に送ったのが、この「みんなが笑顔」の歌詞です。

 

「机の中にしまっておくのがもったいないので、歌にしてもらえませんか?」

先生からそんなお電話をいただいた後に、ファックスで届いた詩を読んで、私たちも驚きました。

      一人一人、苦手も違う

      だからほめ合う 苦手はカバー

      助け合えば、みんながほっとする

      小さな幸せが、大きな幸せを呼ぶ

      できなくっていいさ、助け合おう、人間だから

      ホントの思い行動にしたなら、笑顔になれる

      やさしさは僕らが持っている

 

10人足らずの5年生が、1行詩を書いてまとめたものだそうですが、大人の私が頭で考えたのでは絶対に思いつかない宝物のような言葉が、キラキラ並んだその紙を手に、感激でしばらく立ち尽くしました。

子供たちのこのすばらしい言葉を台無しにしませんように、と願いながら、私たちも一生懸命、歌を作りました。

残念ながら、この小学校は今年の春、統合によって廃校になりましたが、「みんなが笑顔」を歌うたび、日本の将来は明るい!、と感じています。  

                   (絵、安本洋子さん)(きなこ)

♪絵をクリックしたら、「みんなが笑顔」をお聴きいただけます。https://www.youtube.com/watch?v=Vd2WmvFx1O4

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2018年

6月

16日

ボクチャン

叔母が逝きました。
みかん農家の四人兄弟の長男の嫁で、ミス大島で、働き者だった叔母は、祖父の自慢の嫁でした。
叔母には姉弟二人の子供がいましたが、とくに弟はお母さん子と親戚間でも有名で、何か心細いことがあって叔母を探しはじめると、『ボクチャンだからねぇ』とみんなで笑って見ていました。

祖父のみかん山を叔母と母が手伝っていたので、私は学校に上がるまでは、みかんの色づく季節になると祖父母の家に行き、体が弱かった祖母と『ボクチャン』と三人で留守番をしていました。

3つ年上のボクチャンは、スラリと背の高い男の子でしたがおとなしい子で、私もボクチャンと一緒にいると全然喋らず、『あんたたちは、まあ、ようおとなしゅう待っちょるねぇ』と大人たちを感心させるほどお利口に、ふたりでただみかん山の上り口に並んで座って、母たちの姿が見えるのを待っていました。

あれから何十年も過ぎて、ボクチャンも白髪が目立つほどオジサンになりました。
病気に縁のなかった叔母は思いがけぬ病を得て、3ヶ月で逝ってしまいました。
葬儀の日、わたしたちが知らなかった叔母との最後の日々のことやお世話になった方々へのお礼の言葉もしっかりと話したボクチャンは、でも最後のお別れのとき、棺に花を捧げながら、叔母の額に手を置いて、肩を震わせていました。
みかん山から降りてくる叔母と母を、一緒に並んで待っていたボクチャンを、私は思い出していました。

           (絵、安本洋子さん)(きなこ)

♪絵をクリックしたら、赤トンボをお聴きいただけます。

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2018年

6月

15日

自転車

うたた寝をして2時過ぎに目が覚めて、あらためて布団に入ったものの眠られなくなり、目を閉じて思い出すのは、島に住む母のたわいない一言です。

 

母はものを大事にする人で、私が高校生の頃に乗っていた自転車を手入れしながら、いまだに乗っています。
いつもタイヤの交換をお願いしていた近所の自転車屋さんが閉店したので、自動車屋さんに行き、『溝が減ったタイヤの交換をしてもらえませんか』と頼んだところ、なんとか引き受けてもらえたのだ、とうれしそうに話してくれました。
『まあ!、自動車屋さんがよう引き受けてくれたねぇ』
と言えば
『これは娘が高校生の頃に乗っていた自転車なんです。どうしても駄目なら仕方ないんですが、わたしはこれしかよう乗らんのんで、なんとかタイヤを交換してもらえませんか、と頼んだんよ。』
『まぁ、まぁ!でも、良かったね、直してもらえて。』
『うん、これで一生大丈夫。』
『そんな、一生なんて。』
タイヤの寿命と自分の寿命を一緒のスパンで言った、母の何気ない言葉にちょっとショックを受けながら、でも
『タイヤはすり減ったら危ないから、毎年替えんさいよ。いい「自動車屋さんの自転車屋さん」も見つかったことじゃし』
と冗談めかしてたわいなく話していたのですが、眠られず目を閉じていたら『これで一生大丈夫』と言った母の言葉が川の淀みに引っ掛かった葉っぱのように心にかかり、思われてなりません。

                                           (写真 スミピーさん)(きなこ)

 

♪写真をクリックすると「銀輪」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=7NPZz5MqW7Q

 

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2018年

6月

12日

新月

明後日は新月。
新月と満月の夜は魚がよく釣れるそうで、元気さんの釣り心が、またソワソワしはじめました。

それにしても『見えない月』を新月と呼ぶなんて、日本人はつくづく月が好きだったのですね。
高校数学の時間、無いものを「ゼロ」と名付けた0の発見は20世紀の大発見だった、と習った記憶がありますが、闇夜に見えない月を見る感性も、それと同じくらい素敵だなあと思います。

                       (絵、これこさん)(きなこ)

♪絵をクリックしたら、「飯の山」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=NZnQ-4NVQRk

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2018年

6月

11日

思い出

昔は普通でも今はしない、ということがありますよね。
躾にしても、私が子供の頃は、押入れや蔵に閉じ込められた、とか、家の外に出された、というような話は、友だちなどからも意外と聞いていたように思います。
私自身は、どこかに閉じこめられた記憶はないのですが、家を出されたことは一度だけあります。

 

ずいぶん悪いことをしたのでしょう。

「そんなことなら、もう出ていきなさい」

と、母に外に出されました。

「ごめんなさい、ごめんなさい」

と、泣いてガラス戸を叩いていたら、中から、

「お姉ちゃんを入れてあげて!僕も出る!」

と言う弟の声が。

「それなら、あなたも一緒に出なさい」

という母の声がして、開いた引き戸から、弟が押し出されてきました。

たとえ外に出されても、一人と二人ではまったく心細さが違います。

ああ、なんてやさしい弟だ!、と感激しました。

ところが。

母に押し出されたとたん、弟は、

「ごめんなさい、ごめんなさい、やっぱり出ない。僕を入れて!」

と、引き戸が壊れんばかりに叩いて叫ぶではありませんか。

この裏切り者ー!

でも、母は

「だめ、自分が言ったんだから、お姉ちゃんと一緒に出てなさい」

 

 その後のことは覚えていません。

でも、この光景を、何年に一度かくらい思い出し、今は口の悪いオジサンになった弟だけど、根は優しいのよねぇ、と思ったりします。

                  (絵、安本洋子さん)(きなこ)

 

♪絵をクリックしたら、「ふたたびの少年」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=hEDIN2GTibw&feature=youtu.be

 

 

 

 

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2018年

6月

10日

贈り物

今日は、和高節二さんという日本画家の生誕120年の関連イベントに声をかけていただき、安芸高田市に行ってきました。
その帰りに、患者会の方のお家に二人でお邪魔させていただきました。

『お庭を作ってもらって、とても素敵な庭が出来上がったの。一人で見てるのがもったいないから、見に来て』

数日前、電話で誘っていただきました。
彼女は早くにご主人様を亡くされ、今はお一人暮らしです。

リビングダイニングの扉を開ければ、硝子サッシの向こうは、一面のお庭。
奥行き3メートルほどのテラコッタ張りのお庭に、もみじ、まゆみ、万両、シャラ、あじさい…等々。
樹木の名前をそれほど知っているわけではない私が見ても、春夏秋冬、どの季節でも目を楽しませてくれるお庭にしつらえてあるのだろうなあ、と思われる豊かなお庭でした。

『昨年末、父が亡くなってね。母もその前に亡くなってたから、落ち込んでしまって、私も死ぬことばかり考えてたの。
でも、これじゃあいけないと思って、父の遺産で庭を作ることにしたの。
でも、作って良かった。すごく癒されているよ』

あんこをたくのが上手な彼女のおはぎをいただきながら、小雨に濡れるお庭を見ていたら、私くつろぎました。
遺産で作られたというお庭だけでなく、『これではいけない』と思われた底力や、遺産でお庭を作ろうと思った感性も、ご両親から彼女への贈りなのだろうなと思いながら、しっとりと美しいお庭を眺めていました。

                              (絵、高嶋宏子さん)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、「赤トンボ」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=qaL1XyYscDM



 

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2018年

6月

09日

しあわせ量保存の法則

わたしたちは、パーキンソン病友の会という患者会に入っています。

元気さんは広島県支部長をさせていただいているので、年に4回発行の支部会報に、毎回原稿を書かせていただいています。

これは2月に発行した冬の号に掲載された元気さんのエッセイです。

 

 

冬季オリンピックが終わりました。

 最も印象深かったのは、おそらく多くの日本人と同じく、羽生選手の快挙でした。まだ23歳の若者ですが、私は羽生選手の優勝後のコメントの中から出た一つの言葉に深い感銘を受けました。
 それは、「この日のために、多くのものを捨ててきた」という言葉でした。
 

 パーキンソン病患者も、人生半ばにして多くのものを失います。
 それでも私は最近思うのです。高校の物理で運動量保存の法則とかエネルギー保存の法則とか学びましたが、概ね一人あたりの「しあわせは、人生途中で大きな障害となるような出来事が起こったとしても、生きてさえいればやがて今までとは異なる価値観が見つかり、結局、しあわせ量は変わらないんじゃないかと。(名づけて、「しあわせ量保存の法則(笑)

 かつてハリウッド俳優で、パーキンソン病患者のマイケルJフォックスが著書「ラッキーマン」の中で「もしあなたの前に神様が現れて、今すぐにパーキンソン病を取り除いてくれるとしたらどうしますか」という問いに対し、彼は迷うことなくごめん蒙る。とっとと帰ってくれと言う」と即答していました。
 これを読んだとき、少々頭の中がパニックとなりましたが、その後長い時間が過ぎ、今では彼の気持ちがわかるように思います。

 私の症状は確実にゆっくりと下降してきています。
 しかしながら、心には再び羽が生えようとしています。
    Never give up  and Always smile
                      (写真 yama-p)(元気)

♪写真をクリックしたら、「銀輪」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=7NPZz5MqW7Q



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2018年

6月

08日

父の口癖

今朝は小雨が降っていましたが、勝手口から、ちょっと出たついでに、庭に回ってみました。

猫のいない我が家の「猫の額」ほどの庭。

雨に濡れたミニトマトの葉をはぐったら、赤い実が2つ!

とうとう色づきました。

まだ少し早いかな、と迷いましたが、収穫しました。

初収穫です。

春のタケノコと張り合うぐらい、かいでもかいでも毎日育つチシャの葉も、10枚ほど取りました。

今日のお昼は、チシャとミニトマトのサラダです。

お洒落なレストランなら、「朝摘み野菜のサラダ 500円」で、いけるかな。

そんな想像をしたら、ウキウキしました。

ちなみに、「かぐ」というのは山口の方言で、チシャの芯から葉っぱだけをもぎ取る動作を「かぐ」と言います。

 

と、なんだかずいぶん偉そうに書いていますが、我が家の野菜は、どれも父が植えてくれたものばかり。

合掌作りの屋根の骨組みのようにトマトの支柱を組んでくれたのも父。

チシャもネギもシソも、植えてくれたのは父。

女の子のお下げのように、縄で二つに分けてぶらさげたたまねぎを軒の下に吊るしてくれたのも父。

さらに、時々届けてくれる父の畑の大根やニンジンは、すぐに食べられるようにと、きれいに洗って持ってきてくれます。

 

「いつもありがとね」と言うと、

「お前らぁに食べてもらうのが、生きがいじゃけぇ」

と言ってくれます。

わたしが小さい頃は怖いくらいだった父は、実はかなりシャイで、若い頃は面と向かってそんなことを言うような人ではなかったのですが、最近は「車に気をつけてくれよ」とこの2つが、父の口癖になっています。

                (写真、ジュリエットさん)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、「蜂ヶ峯~思い出はいつもきらら~」をお聴きいただけます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=VlAGpT8XjHs

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2018年

6月

07日

お茶漬けの素

元気さんは、お茶漬けが好きです。

ところが問題が。

元気さんが使ったお茶漬けの素の個袋には、たいてい少し残りがあるのです。

 

捨てるべきか、捨てないべきか。

 

とっておけば気になり、捨てればチクリ罪悪感。

残ったお茶漬けの素は、わたしの小さな悩みの種だったのですが、今日、ふと気がついて、ネット検索してみました。

 

「お茶漬けの素 レシピ」

 

すると!

あるわあるわ。

お茶漬けの素レシピが、山ほどあるではありませんか。

お茶漬けの素チャーハン。

お茶漬けの素パスタ・・・。

 

おそるべし、ネットの力。

名も知らぬアイディア提供者の方々のおかげで、積年の悩みが解消しました。

次回、お茶漬けの素が残ったら、お茶漬けパスタを作ってみることにしましょう。

                         (絵、これこさん)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、「銀輪」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=7NPZz5MqW7Q

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2018年

6月

03日

少年時代

5年前、ふたりで「げんきなこ」をはじめたものの、歌を聴いてあげようという人がいなくて途方に暮れていたとき、声をかけてくださったのが、広島西医療センター療育病棟の先生方でした。

今は退官されたその先生が誘ってくださって、今日は、アウトドアパーティの仲間に入れていただきました。

 

場所は、偶然にも、元気さんのふるさとのごく近く。

入梅前の緑あふれる山あいの日本家屋。

日差しいっぱいの庭にブルーシートを敷いて車座に。

あたたかい先生方の輪の中で、アットホームな時間を過ごさせていただいて、懐かしくなったのか、帰り道、「昔遊んだ川にいきたい」と元気さんが言うので、少し回り道をして帰りました。

 

「積善橋」という橋の上に車を停めて、右から左から川を覗き込む元気さん。

「あそこから川に下りていたんだ」

「ハヤを釣っていたんだ」

「あれが、かえる岩」

川から目を離さずに、つぶやくようにあふれ出すように話す元気さんの話をきいていると、少年元気さんが、ワクワクと川で遊んでいる水しぶきまでが見えるようでした。

その光景が頭に浮かんだら、ちょっとだけ泣きたい気持ちになりました。

きっと今日があたたかい一日だったからでしょう。

                    (写真、yama-p)(きなこ)

 

♪写真をクリックしたら、「きみといた日々」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=Vw3PnWzVSlE

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2018年

6月

02日

いったい、これまでに、いくつの歌がこの世に生まれたのでしょうか。

 

きっと、星の数ほどたくさんの歌が誰かの口から生まれ、そのほとんどは、誰かがこの世を旅立つのと一緒に、消えていったのでしょう。

 

消えてしまったけれど、すばらしい歌もあったことでしょう。

誰にも歌われず、あるいはその歌を歌う最後の一人が亡くなって、消えていった歌が、どれほどたくさんあったことでしょうか。

 

そんなことを思いながら、空を見上げていたら、目に見えない宙のなかに、歌が風になって飛んでいるような気がしてきました。

                            (yama-p)(きなこ)

 

♪写真をクリックしたら、「のうた」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=sKo66bpJ230

 

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2018年

6月

01日

「パーキンソンには負けないぞ」

かわいいお声のAさんから、お電話をいただきました。

今日、Aさんのお声は、時々、波が引くように遠くなって、また大きくなっていました。

鈴が鳴るようなお声はわたしの耳に気持ちいいけれど、Aさんの体はジスキネジアで揺れて電話口から離れたり近づいたりされているのだろうな、と思いながら、受話器をしっかりと耳につけて、お話しをしていました。

 

「亡くなった父に、小さい頃よく言われてたの。

きみは残念なことにべっぴんさんではないけれど、笑っているとかわいいから、いつも笑っていなさい』って」

「まあ! でも、お父様がご自分の娘に『べっぴんさんではない』っておっしゃってたってことは、見た目に天狗にならず、いつも笑顔でいなさいってことをお伝えになりたかったのでしょうかねぇ」

「ああ、そうなのよ!

父は、「謙虚さを覚えなさい」ってことも、いつもわたしに言っていたの。

でもね、父が、『いつも笑っていなさい』って言っていたから、今でも私は『いつも笑顔でいよう』って思うの。

最近体がしんどくて、つらくてね。

周りの人もそんな人が多いから、今度みんなで集まったら、一緒に歌を歌おうと思うのよ。

歌っていたら、歌う間は、病気のことを忘れられるでしょ。

『しあわせなら手をたたこう』の替え歌で、『パーキンソンには負けないぞ!』って。

わたしが作ったの、いいでしょ」

そういって、ワンフレーズ、Aさんは歌ってくださいました。

 

今日は一日、Aさんがかわいいお声で、きっぱりと歌われた「パーキンソンには負けないぞ」のフレーズが耳に響いています。

                       (絵、これこさん)(きなこ)

 

♪絵をクリックしたら、「パーキンソンブルー」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=QuLIX1EW9oM

 

 

 

 

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2018年

5月

31日

新聞紙の花束

母は、花が好きです。

小学生の頃は、朝、庭の花を切って、教室に飾る花を持たせてもらいました。

冬はスイセン。

梅雨はあじさい。

ありふれた季節の花ですが、切ったばかりの花を新聞でくるくる包んで、

「お花は恥ずかしがりやだから、下を向けて持っていきんさいね」

と言って持たせてくれました。

 

今でも、たまに届けてくれる父の手作りの大根やにんじんなどの入った箱のすみっこに、新聞にくるまれた母の花束が入っています。

    (写真、yama-p)(きなこ)

 

♪写真をクリックすると、世界中の誰よりもきみが好き、をお聴きいただけます。

 

https://www.youtube.com/watch?time_continue=11&v=_vIXakpRMCQ

 

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2018年

5月

28日

じゃがいも

Mさんに触発されて、わたしも庭に穴を掘って、生ごみを埋めていたら、そこからかぼちゃの芽が出たことを、少し前に書きました。

今も、穴掘りの毎日です。

最近、かぼちゃの葉の下に、じゃがいもも芽を出していることに気がつきました。

 

掃き溜めに鶴、といいますが、捨てたゴミから芽、です。

うれしくて、不思議。

きっと日本人は、こういう光景を見ながら、文字ではなく感覚として、土や山や海に、神様がいらっしゃることや輪廻転生することなどを感じてきたのでしょう。

 

大きくなるかな。

実るかな。

 

楽しみが増えました。

                    (絵、安本洋子さん)(きなこ)

♪絵をクリックしたら、あいのうたをお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=ku_iJJSeL-k&feature=youtu.be

 

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2018年

5月

25日

勧善懲悪

父は水戸黄門が大好きです。

番組が終了した今も、夕方に放送される再放送だか再々放送だかの水戸黄門を見ているようです。

 

毎回さまざまな悪代官、悪徳商人が暗躍して小市民からお金を巻き上げ、権力の座をほしいままにしていますが、番組終了10分前くらいになると、格さん助さん引き連れた黄門様が登場し、「この紋所が目に入らぬか」の一言で、状況逆転。

悪人たちはあわててひれ伏し、お縄となって、虐げられていた小市民はしあわせな生活を取戻し、めでたし、めでたし。

ああ、その快感!

ドミノが倒れ始めるような痛快さ。

オセロの黒が一気に白になるようなスッキリ感。

勧善懲悪って、キモチいいですよね。

 

でも。

わたしたちが暮らす現実に、100パーセントの勧善懲悪ってあるのかな、と思ったりもします。

白組が100パーセント悪で、赤組が100パーセントの正。

現実にはあるのかな、と、ちょっと疑問にも思います。

テレビ画面にずらり並ぶ「識者」の方々が、全員口をそろえて断罪するような話し方をされているのをみると、そうなのかな、と心にひっかかったりしています。

                             (絵、これこさん)(きなこ)

♪絵をクリックすると「あいのうた」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=ku_iJJSeL-k&feature=youtu.be

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2018年

5月

22日

父のゆで卵

父も母も周防大島の生まれです。

父の父、わたしの祖父は学校の先生だったのですが、島でみかんや田んぼも作っていて、牛も飼っていて、おまけに煙草のみでお酒好きの祖父は、お酒を作り、屋根の上で煙草まで栽培していたそうで、父も小さい頃からずいぶんそれを手伝わされたそうです。

そんなわけで、父も小学校の先生ではあったのですが、田舎の人だなあ、と感じることがよくあります。

わたしに初めての子供が生まれた朝もそうでした。

 

出産の知らせに、二人で駆けつけてくれたのですが、帰り際、父がこっそりと、ビニール袋をわたしの枕元に置いて、「滋養をつけえよ」とつぶやいて帰りました。

なにかと思えば、ゆで卵。

それも、大量のゆで卵がビニール袋の中に入っていました。

10個はあったと思います。

母に言えば、きっと止められるでしょうから、きっと父は、朝早く卵をゆでて、内緒で持ってきたのでしょう。

戦時中に育った父にとって、卵は「滋養をつける」ための何よりの貴重品だったのでしょう。

もちろん、産院でも食事は出ていたのですが、出産の知らせを聞いた父が、ゆで卵をゆでてくれている様子を想像したらとても捨てられなくて、冷蔵庫に入れて、毎食ごとに何個かづつ食べました。

 

今朝、よく晴れた五月の空を見ながら、ふと思いだした思い出です。

                         (絵、安本洋子さん)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、ふるさとをお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=YC-A8ketfhE

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2018年

5月

20日

PDマーケット

昨日はパーキンソン病友の会広島県支部の総会がありました。

 

総会は真面目なものなので、もちろんその部分も元気さんや大上さんをはじめ、みんなで一生懸命お手伝いしたのですが、わたしが一番たのしみにしていたのは、「PDマーケット」です。

 

これは、会員さんから手作りの作品を無償でご寄付いただき、それを来場くださった方の中で希望者される方に、募金と引き換えでお持ち帰りいただく、というものです。

 

患者会は、きっとどこも同じだと思いますが、常に資金難。

少しでもその赤字を埋めることができたらいいね、しかもみんなで楽しくできたらいいね、ということをMさんと相談しながら思いついた『PDマーケット」は初めての試みなので、最初は作品は少なくても・・・、と思っていたのですが、短期間のうちにずいぶん集まって、当日並べた8つの事務机は作品でいっぱい!

作品を眺めながら、あらためて患者さんたちの才能の豊かさを感じました。

 

手作りのティッシュケースやブローチなどなど。

端切れをパッチワークした小銭入れは、ひとつづつファスナーがついた丁寧な仕上がりだし、折り紙とビーズと造花を組み合わせた花束は、花嫁さんのブーケにしてもいいくらい。

それから、これは6年前の全国総会広島大会以来のロングセラー、千年無農薬の竹を冷水の中で4度やすりを変えて磨いた、人気のすべらないお箸『オチの箸」も久々の登場。

米子の友松さんが再出版され、今回のために友の会にご寄付くださった田中祐子さんの短歌集「生きる」。

童話作家、鎌田俊三さんの「ぱお~んおじさんとの夏」。

それからげんきなこのCDもお仲間に。

Mさんが寄付してくださった未使用の日用品やご本の数々もテーブルをにぎやかに。

そして、「PDマーケット」の目玉は、何と言っても、安本洋子さんの絵葉書。

100円以上ご寄付で、安本さんの素敵な絵葉書がもらえるのです!

 

殺風景な事務机に所狭しと並ぶ素敵な作品を、雨音のリズムのようにたのしく引き立ててくれるのは、センス抜群の「ぴちちゃぷらん」さんが作ってくださったプレートやポップ。

 

総会は真面目なものですから、少しぴりぴりと、総会前の準備会場は緊張感もあったのですが、マーケットには縁のなさそうな男性が、どんどん楽しく飾り付けられていくテーブルを眺めて、「見ているだけで、ウキウキするね」と言ってくださったと、後で聞いて、うれしくなりました。

                           (絵、安本洋子さん)(きなこ)

♪ポスターをクリックすると、あけびの実の熟れる頃、をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=9Fy5TxG5sJU

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2018年

5月

17日

ふるさとの味

「明日は誕生日だから」
、島の両親が届けに来てくれました。

明日は、元気さんの誕生日です。
新聞でくるんだの作ったねぶかや大根葉とともに出てきたのは、鯛とタコとアサリ。
さっそくアサリを貝汁にし、タコを刺身にして、一日早い誕生会。一緒にお昼を食べました。

 

昔、祖母の土間の台所でタコを茹で、湯気のあがるのをぶら下げて冷まし、母が長い刺身包丁で切り分けながら、足先のクルンとしたところはポイッと自分の口に入れていたのを思い出しました。

 

今は元気さんも一緒に食べるふるさとの味。

今日も、瀬戸の味は美味しかったです。

                          (絵、安本洋子さん)(きなこ)

 

♪絵をクリックしたら、「あいのうた」をお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=ku_iJJSeL-k&feature=youtu.be

 

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2018年

5月

17日

完璧

毎回見ているわけではないのですが、先日元気さんがつけたテレビが、偶然DASH村でした。

山口くんが問題を起こしたあのTOKIOの活躍する番組です。
なんとなく見ていたのですが、画面のどこにも山口君の姿がありません。
山口君のシーンをカットして放送することに決めた、と言っていたので、編集しなおしたのだと思いますが、それにしても、影も形もなくとはこのことかというくらい、きれいさっぱり山口君の姿はありませんでした。
まるで最初から3人だったように。
でもテレビを見ながら少し怖くなりました。
何にも知らずに番組を見れば、カメラの向こうには三人しかいないと思うでしょう。
ドキュメンタリーであっても、テレビ画面に映る光景と現実は同じではないんだ。
いた人が影もないその完璧に、なんだか少し怖くなりました。

               (写真、yama-p)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、蜂ヶ峯~思い出は今もきらら~をお聴きいただけます。

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2018年

5月

16日

メダカの人生

ちびさんメダカが死にました
水槽にエサを入れると、四匹全員が水面に集まってエサを食べるのですが、今日は三匹
おかしいな、と覗きこめば、水底に小さな体が横たわっていました。
もう、体は白くなっていました。

なんで、ちびさんが?
かなりショックを受けています。

もらって来たとき稚魚に近く他のメダカよりずいぶん小さかったので、食べられないようにか、逃げまわってばかりいました
恋の季節がやって来ると、今度は大きいオスメダカから攻撃され追われる毎日。
最近は、恋の季節が終わったのか、はたまた新入りのメスの参入でメダカ関係が微妙に変わったのか、執拗だったオスメダカの攻撃もずいぶんおさまり、ホッとしていたところでした。

かわいそうなちびさん
いったい彼の人生は何だったのだろう

 

 

なんて、メダカに対してバカみたいですが、考えてしまっています。

                         (絵、高嶋宏子さん)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、「きみがいた」をお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=O_Jj9vXUpR4

 

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2018年

5月

15日

じわじわと

朝イチで、宮崎の甲斐さんからメールが届きました。

本文はなし。

件名の部分に一行だけ、「今日、A高校に行ってきます」

 

うわっ!今日なんだ。

もちろん、あの「素敵な感謝状」が、19人の生徒さんに届けられる日です。

 

生徒さんたちは、どんな顔で受け取ってくださるのだろう。

びっくりして、え?なんで?!と思って、そして、この感謝状が発するパワーは、じわじわと、そして一生19人の心で、光を発し続けるでしょう。

もしかしたら、今より少し先に、生徒さんたちは、もっともっと深い意味を感じるかもしれない感謝状。

これから大人になっていく生徒さんに、キモチは伝わるんだ、という、大きなメッセージを、感謝状は送っているような気もします。

世の中への信頼。

エール。

 

添付をひらけば、宮崎日日新聞の記事が。

小さなコラムを拡大して読めば、なんとまあ!、今回の顛末と、今日、甲斐さんがA高校に行かれることが書いてあるではありませんか。

新聞で最近、うれしいニュースを読んだのは、羽生結弦くんの10万人凱旋パレードで、出たゴミが6袋だけだった、という話くらい。

それ以来の、うれしいニュースを新聞で読みました。

 

いくつものやさしい心がつながっていくドキュメンタリー。

宮崎からはるか広島のわたしも、わくわくうれしい朝をいただいています。

              (写真、甲斐敦史さん)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、エール~きみを信じてる~をお聴きいただけます。

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2018年

5月

15日

千差万別

元気さんと雑談していたときのこと

 

ある歌手の名前が思い出せなくて
『ほら、大きな古時計を歌ってる人がいるでしょ、あの人、名前なんだっけ、ほらほら、あの人よ』
すると元気さんも
『ああ、あの人ね』
と、口に出ないようす。
『うん、細くて、頭の髪がくしゃくしゃで、手を上げ下げしながら歌う人』
私の頭に、彼の顔や姿は浮かんでいるのですが、名前だけが出てきません
すると元気さん
『わかるよ。名字がはひふへほのどれかの人だろ?』
『え?、はひふへほ、のどれか
あ、わかった!平井堅だ』
元気さんのヒントのおかげでわかってすっきりしたのですが、でも名字がはひふへほのどれかって、元気さんの頭はどういう記憶の仕方をしているのでしょう?
そんなの初めて聞きました。

私は『かわの』さんと『こうの』さんをよく間違えるので、きっと『河野』という漢字の『映像』で人の名前を記憶しているのだろうなあと思っていますが、元気さんの場合、『音』で名前を記憶しているのでしょうかね。

記憶の方法も千差万別なのですね。

                           (写真、yama-p)(きなこ)

 

♪写真をクリックしたら、ぽんぽこをお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=8eF9Cl292Xo

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2018年

5月

13日

寂地峡

『もう一度、イワナを釣ってみたいなあ』
時々、元気さんはそう言っていました。

 

中国山地の山あい、『弥勒の里』で開催された音楽フェスで、ワイルドボアズさんが『五橋渡り』をカバーしてくださるというので聴かせていただきに行ったあと、寂地峡に立ち寄りました。

 

寂地峡は、元気さんが渓流釣りをしていた頃のホームグラウンド。
「弥勒の里」に近いとはいえ、今日は二人とも普通の洋服。
渓流に行く予定ではなかったのですが、気がつくと車の中には元気さんの積み込んだ渓流竿が一本ありました。

知能犯の元気さんの計画的犯行です。
この大雨の中、肌寒い気温の中、パーキンソン病患者が渓流釣りをするなんて、普通は『ありえない!』でしょう。
でも、川を目の前にした元気さんは、にんじんを目にした馬以上。
止められる人は誰もいません。

『30分ね』
むなしい約束をして、わたしも傘をさして、川べりをついて歩きました。
雨降る川の中の熊と傘をさすオバサン。
今や心も風貌も熊と化した元気さんの心にあるのは、ここに川がある!タノシイ!イワナが釣りたい!それだけ。
大雨の中、川に降りるや、石をはぐり、川虫を探し、袖口どころか、靴もズボンも濡れるのを気にせず、ただ魚の餌にする川虫だけを一心に探しています。
カンペキ、子供。
雪の中で氷のような手になっても遊び、海の中で唇が紫になってぶるぶる震えていても遊ぶ子供そのもの。

心タノシイときは薬は切れない、と信じて、プールの監視員よろしくジッと川のほとりで待つこと一時間。
元気さんはついに15センチほどのイワナを釣り上げました。
川端からはイリコのようにも見える小さなイワナを引き上げるのにも苦労しながら、身体中で悦んでいた元気さんを、きっと忘れないでしょう。

帰りの車中、『イワナはきれいじゃったなー』とハシャギ、口笛を吹き、歌を歌い、リズムの外れた手拍子をして、やがてびしょ濡れのまま寝てしまいました。
そんな雨の一日でした。

                      (絵、安本洋子さん)(きなこ)

♪写真をクリックすると、雨はともだちをお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=G5-dFjFXQYE

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2018年

5月

12日

素敵な感謝状

パーキンソン病友の会は全国組織の患者会ですが、普段は都道府県単位で支部ごとに活動をしています。

これは、宮崎県支部のお話。

 

 

数年前に入会されたばかりで、自称「30人抜き」で支部長になられた甲斐敦史さんは、まだお若く、ご自身のお仕事もされながら支部のお手伝いをなさっています。

パーキンソン病の理解を深め、認知度をあげていきたい。

熱い思いをお持ちの甲斐さんは、県の難病医療協議会から「共同で医療講演会をしませんか?」のお声がかかるや、地元のA高校に、ボランティアのお願いに行かれました。

 

 

募集人数数名のところ、応募してくれた生徒さんは19名。

普通なら、数名に絞ってお願いするところですが、そこは甲斐さん。

せっかくのつながりをこちらから絶ち切ってはいけないと、19人全員に来ていただくことを決断。

地元FM番組の高校生向け番組への出演など、とんとん拍子で話が進んでいたかに思えていたのですが、なんと、緊急事態発生。

教頭先生からお電話があり、

「ほんとうにすみません、当日は学校行事があることがわかり、19名全員が参加できなくなりました」

 

 

があーん!

講演会当日までカウントダウン。

手書きの絵もあしらったボランティア19人の素敵な名札も用意済み。

普通は落ち込んで、ちょっと学校をうらんでみたりするところですが、「30人抜き」の支部長さんは違います。

すぐに事情を会員さんにLIENでお知らせして、情報のあった別の高校にボランティアをお願いし、緊急事態を切り抜けました。

 

 

でも、感動したのは、その後の話です。

 

当日取材に来られることになっていた宮崎日日新聞の記者さんに、この事情を連絡したところ、

「それは、お互いに残念な結果でしたね」の言葉。

え?お互い?

そうだな。

ボランティアに来てもらえなくなってがっかりしているのは、自分たちだけでなく、A高校の生徒さんたちも一緒なんだな。

来てもらえなかったのは結果論。

参加しよう、お手伝いしようという生徒さんたちの気持ちに、変わりはなかったのだから。

さすが記者さん!

 

 

ということで、甲斐さん、今、19枚の感謝状を製作中だそうです。

お手伝いはしていただけなかったけれど、その気持ちに感謝する「素敵な感謝状」が、近く19人の生徒さんに手渡されるそうです。

                     (写真、ジュリエットさん)(きなこ)

♪写真をクリックすると、パーキンソンブルーをお聴きいただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=QuLIX1EW9oM

 

 

 

 

 

 

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2018年

5月

10日

激しい愛

このところメダカの産卵が続いています。
昨年夏に戴いた頃は太ったオスかスリムなメスかわからなかったメダカも、水ぬるむにつれて、メスは丸々と、オスはシャープな体つきになって、もう見誤ることはありません。

我が家のメダカは、大小2匹のオスとメス1
春の訪れとともに、大きいほうのオスが、ぴったりメスにくっついて離れないのはいいのですが、小さい方のオスが二匹のそばに寄るだけで、大きいオスに鋭く威嚇し追いやられるのです
狭い水槽、二匹と一匹に分かれ、かわいそうなチビさんは二匹が上に行けば下に、右に行けば左にという状態
激しい愛はかくもメダカの心を狭くし、激しい愛はかくもメダカを攻撃的にするものか!
複雑な思いで毎日水槽を覗いていましたが、「愛というより、これってイジメ?」と、見るたびにキモチがざわざわしはじめ、ついに数日前、ホームセンターに、メスのメダカを買いに行きました。

ホームセンターで

『メダカのメスを一匹ください』と言えば

『自分で選別してすくってレジに持ってきてください』と言われて、小さなアミと器をわたされました。

間違ってオスをつれて帰ったら、ますますややこしいことになってしまう!
子供の頃の金魚すくいの真剣さでホームセンターの水槽に張り付、30分後、見事、メス一匹をすくって、連れ帰りました

のところ、チビさんメダカと新入りメダカが仲良くなる気配はありませんが、さてはて、この激しい愛の顛末、どうなることでしょうか

                               (絵、安本洋子さん)(きなこ)

 

♪写真をクリックしたら、愛になれるをお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=Vw3PnWzVSlE

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2018年

5月

04日

シロツメクサ

信号待ちで停まったら、中央分離帯にシロツメ草が群生していました。
今年初めて見るシロツメ草の白い花です。
まっすぐに伸びた茎の上の丸い花は、まるで空に上がったアドバルーンみたいです。
地面からにょきにょきと立ちのぼるいくつものアドバルーン。
地面の上の小さな生き物の世界に、新しいデパートでもオープンしたのかな。
信号待ちのわずかな時間、ふと、おとぎ話みたいなことを思った春の日でした。

         (写真、ジュリエットさん)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、愛し子をお聴きいただけます。

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2018年

5月

02日

声と顔

時々電話でおしゃべりする、とてもかわいい声の女性がいます。

「素敵なお声ですね。」

と言うと、

「そうなの、いい声でしょ。

最近は、病気のせいでちょっと声が出にくくなってしまったんだけど、でもわたし、お友達とホテルのラウンジでおしゃべりしてたら、スカウトされたことあるのよ。

結婚式の司会者になりませんかって。」

「そうなんですか? ああ、でも結婚式の司会に、ぴったりのお声かもしれませんね。」

「そうなの!、その人も、そう言われたの。結婚式の司会は、声がいいだけではいけません。

明るくて、しかも華がないといけないんです。

あなたにはそれがありますって。」

お話し好きで、話題の豊富な方だから、どんな状況でも、途切れずに進行もおできになるだろうな、と思いながら、彼女の話をうかがっていました。

「でもね、わたしがその話をお友達にしたら、「あなた、それ、だまされたのよ。ほら、よくあるでしょ、女優になりませんか、ついては準備金○円払ってくださいっていう話。

初老のオバサンに、まさか女優もないから、司会者って言って、あなたからお金を巻き上げようとしたんじゃないの?」って言うの」

 

「まぁ! そんなことがありますかねぇ」

と笑ったのですが、仲のいいお友達らしい感想はほほえましくて、ときどきその話を思い出しては、フッと笑顔にさせてもらっています。

 

考えてみれば、「わたしは声がいいの」と言われる人、意外といるような気がしますが、「わたしは顔がいいの」と言う人には、まだお目にかかったことがありません。

でも、もし言われても、「声がいいの」は、言葉通りに受け止められても、「顔がいいの」は、ぎょっとするかもしれません。

声も顔も、体の一部なのに、おもしろいなあ、と思いながら、鈴が鳴るような彼女のかわいいお声を、また思い出して笑顔になっています。

                        (絵、高島宏子さん)(きなこ)

♪ 写真をクリックしたら、蜂ヶ峯~思いでは今もきらら~をお聴きいただけます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=VlAGpT8XjHs

 

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2018年

4月

30日

リフレイン

元気さんのベッドサイドに一枚の絵があります。

2匹のふくろうが、夜の中で寄り添って並び、枝にとまっている絵です。

元気さんがリハビリのために通っているデイサービスで仲良くなった方からいただきました。

元プロレスラー。

現在の奥様は、3人目。

その方から、お電話があり、初めてわたしもお話しをしました。

「奥さんは声がいいねえ」なんて持ち上げてくださって、

「自分も歌が好きでね。今の女房は、私の声にほれて、結婚したんよ」

などと、たのしいおしゃべりをしていましたが、ふいになんでもなく

「わたしは、もうじき死ぬからね」

 

「わたしは、9年前に糖尿病になって、左足を切断したんよ。

そのとき、お医者さんから、あと6~7年しか生きられん、といわれてね。

でも、もう9年、生きてる。

だから、毎年、今年かな、今年かな、と思いながら、生きとるよ」

 

言葉が出ませんでした。

電話の用件は、新作が出来上がったから、その絵をプレゼントしてくださる、ということでした。

ふくろうは、守り神だからね、と。

今日のはれた空を眺めながら、とつとつとしたお声がリフレインしています。

                    (写真、yama-p)(きなこ)

♪写真をクリックしたら、パーキンソンブルーをお聴きいただけます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=QuLIX1EW9oM

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ブログ 「げんきなこ」ただひたすら団扇振りな日々